植物を栽培する上で、土はとても大事なファクターです。
日本茜を栽培している圃場は、元は田んぼだったため、雨が降り続くと水浸しになってしまい、植物の成長に影響を及ぼす可能性があります。
排水性を改善するには、作土層の下にある下層土を重機で破砕したり、ドリルで穴を堀り、もみ殻を充填するなどの方法がありますが、どれもそれなりのコストがかかります。
また、排水性を良くするだけではなく肥沃な土壌にもしなければなりません。
自然農法、炭素循環農法、有機農法などいろいろな方法があり、これまた迷うところです。
万葉草ファームでは、伝承農法である「落葉床農法」を実践しています。
東京大学の木嶋博士が紹介している記事をネットで見つけて、この農法に決めました。
この農法のメリットは、2点あります。
①コストがかからない
②無肥料でも数年は大丈夫
しかし、デメリットもあります。
①大量の落ち葉を集めなくてはならない
②落葉床とする溝(硬い下層土)を掘るのが大変
今年は、5つの畝を落葉床にしましたが、来年のために残りの畝をできるだけ落葉床にします。
まず最初に行うのが、落葉拾いです。
近くの山に行き、道路の脇に溜まった落葉を拾いに行きます。
落葉をゴミ袋にぎゅうぎゅうに詰めいていると、いろいろな人に話しかけられ、手が止まってしまいますが、それもまた楽しいひと時です。
1回の作業で車に詰め込めるだけの落ち葉を拾うと45リットルのゴミ袋で20袋位になるので、これを何度も繰り返します。
落葉を集めたら次のステップの圃場での落葉床の溝堀りです。
畝の中心部分を幅50cm、深さ40cmほどの溝をガイドの水糸に沿って掘っていきますが、硬い下層土の部分を掘るので時間もかかる、骨の折れる作業です。
掘り終わったら、まずススキを5cmほどの高さまで敷き詰め、次に落葉を入れ、足で踏み固めていきます。
15mの畝で30袋ほどの落ち葉を入れています。
最後に掘り上げた土を被せて終了です。
今年の日本茜は落葉床の畝で立派に成長しました。
2年目、3年目の落葉床がどのような成果になるのか楽しみです。