万葉草ファーム/日本茜栽培

日本の伝統染料植物 日本茜の栽培

日本茜の棘(トゲ)

植物が育つために必要なものは、太陽の光と水と土です。

太陽は、当たり前のように約50億年近く、光を地球に届けています。

地球は、海水から蒸発した水分を雨として降らせます。

土がある場所に育つ植物は、光と水を当たり前のように享受でき、なんて穏やかな生物なんだろうかと思えてしまいます。

でも、本当にそうなのでしょうか。

答えは、NOです。
植物は、光と水と土の資源を確保するために、熾烈な戦いを繰り広げています。

植物が上へ伸びていくのも、葉を茂らせるのも、他の植物より有利に光合成をするために光を奪いあっているからです。

土の中では、さらに過酷な戦いが繰り広げられています。
植物は水分と栄養分を吸収するために根を張り巡らせ、他の植物と陣地の奪い合いをしています。

穏やかな世界で生きているように見える植物も、他の生物と同じように弱肉強食の世界を生き抜いているのでしょう。

こちらは日本茜の茎の画像です。
びっしりと小さい棘(トゲ)が茎にあるのが、わかるでしょうか。

日本茜の棘

葉にもありますが、棘は触っても痛くありません。

日本茜はこの棘を周りの植物に引っ掛けて茎を上に伸ばしていきます。

多くの植物は、自分の茎で立ち、葉を展開しても倒れないように茎を硬く、丈夫にしながら成長する必要があります。
しかし、つる性植物に属する日本茜は茎を硬く丈夫にする必要がありません。

その分のエネルギーを数多く分枝させ、伸ばすことに使っている為、茎はとても華奢で簡単に折れてしまいます。

本当に簡単に折れちゃうんです。

日本茜は、棘を身につけ他の植物よりも有利に光を浴びる戦略をとりました。

圃場の日本茜は、敵がいません。
しかし、その習性から自分の茎同士を絡め合って上に伸び、その形は山のようになります。

茎を絡めて育つ日本茜

梅雨はもうすぐ開け、夏本番。
今年の日本茜の成長は、すごそうです。