万葉草ファーム/日本茜栽培

日本の伝統染料植物 日本茜の栽培

弥生の日本茜

弥生(3月)の日本茜の状況を表す2枚の画像をご紹介します。

まずは、越年している株の状況ですが新芽が出始め、あっという間に大きくなりました。

枝も葉も茶紫色に染まっているのは、成長のエネルギーが貯まりに貯まっている状態です。

成長の爆発へのカウントダウンを刻んでいる状態と思われます。

日本茜の新芽の成長

 

もうひとつは、種からの発芽です。

こちらは、直播きした種から発芽したものです。

温室などを利用していない、自然の環境の中での種自らの力による発芽です。

幼軸は短く、太く、立派な苗になることでしょう。

日本茜の種の発芽

3月を前半と後半に分けての日本茜の成長状況をまとめました。

【前半 1日~15日】

  • 越年した株から、新芽が出始める
  • 直播きした種から発芽は一粒もない

【後半 16日~31日】

  • 新芽は更に成長し、勢いが止まらない
  • 種からの発芽を確認、日ごとに発芽の数が多くなっていく

私が住んでいる地域の平均気温を集計してみました。

3月 平均最高気温 平均最低気温
1~15日 17.9度 6.1度
16~31日 17.6度 8.9度

この結果から、種の発芽に関してひとつの推論が導かれます。

最高気温は前半も後半もほとんど変わりません。

しかし、前半に種から発芽したものは一粒もありませんでした。

とすると、何が発芽の引き金と成りうるのか?

そのひとつの要因は、最低気温の違いだろうと考えられます。

前半は6.1度。
後半は8.9度。

最低気温が上がることにより、結果、1日の平均気温が上がったことにより、種の発芽につながったと考えられます。

とは言え、日本茜の種の発芽率は悪いです。
しかし、私はそれを当たり前のことと考えます。

理由は、日本茜の花の数です。

可憐な小さな花が「ものすごい数」で咲き乱れ、その様は圧巻の一言です。

日本茜の花

この花のひとつひとつが果実となり、種となるのです。

この種が地上に落下して、もし、すべての種が高確率で発芽したらどうなるでしょうか?

日本茜同士で生育の場所を争い、最悪、全滅の可能性もあるでしょう。

長年の中から生き残るための戦略を練った結果、花を多く咲かせ、種を多く作り、発芽率を低くしたのでしょう。

その理由を知ることはできません…でも、知りたいな。